公認会計士が築地市場移転問題を考える。
いまさら感はありますが。
築地市場移転の可否は最終的に都民が判断することなので、ここでは論じないとして、一連の報道でずっと気になっていることは、、、
第十六条 政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。
2 前項の基準が、二以上の類型を設け、かつ、それぞれの類型を当てはめる地域又は水域を指定すべきものとして定められる場合には、その地域又は水域の指定に関する事務は、二以上の都道府県の区域にわたる地域又は水域であって政令で定めるものにあっては政府が、それ以外の地域又は水域にあってはその地域又は水域が属する都道府県の知事が、それぞれ行うものとする。
3 第一項の基準については、常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない。
4 政府は、この章に定める施策であって公害の防止に関係するもの(以下「公害の防止に関する施策」という。)を総合的かつ有効適切に講ずることにより、第一項の基準が確保されるように努めなければならない。
よくわかりませんが、要は、「維持されることが望ましい基準」であり、行政上の政策目標だそうです。さらにこの環境基準は飲用水の場合の話だそうです。
豊洲の地下水は、飲まないし、清掃に使うわけでもない。適切に処置を施して排水するのであれば、何か問題あるのでしょうか。
公認会計士の業務内容に、分析的手続というものがあります。ある勘定科目の計上金額の妥当性を検証するために、ある仮説のもとで計算して近しい金額が算出されたことにより、その計上金額の妥当性を検証します。
この仮説の立て方で公認会計士としてのセンスが出るのですが、築地市場移転問題のように、実は関係のない基準値を持ち出して議論を進めていくことに非常に違和感を覚えます。
少なくとも、誤った仮説のもとで算出された金額に基づいて結論を出すと、誤った監査意見を形成しかねません。築地市場移転問題も同じですよね。