般若心経
- 田中 成和
- 5月20日
- 読了時間: 5分

今週が誕生日weekのCOO田中です。
誕生日weekなので、ゆっくりとした時間を過ごしたいと思っているのですが、
繁忙期真っ只中で、そんなわけにはいかず、たっぷり仕事をしています。
いつになれば、ゆっくりと誕生日weekを過ごせるのか。。。。
ということで、今週5月22日に37歳になります。
最近は、今までなんとなく流していた物事について、
その意味を知りたい欲が強く、いろいろ調べています。
その中でも興味を持ったものが、「般若心経(はんにゃしんぎょう)」。
葬式や法事の時に何となく唱えさせられる、あれ!です。
ということで、今回は「般若心経」についてです。
私たちが日々感じる「不安」「執着」「迷い」——。
それらを静かに手放し、心の安らぎを取り戻すためのヒントが、
仏教の経典「般若心経」にあります。
ここでは、般若心経の全文を順にたどりながら、現代語訳と解説を交えてご紹介します。
序文──観音菩薩の気づき
原文:
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄
現代語訳:
観音菩薩(かんのんぼさつ)は、深い智慧の力で修行していたとき、
私たちを構成する五つの要素(五蘊)すべてが「空(くう)」であると見抜き、
あらゆる苦しみから自由になった。
解説:
「五蘊(ごうん)」とは、色(身体)・受(感受)・想(思考)・行(意思)・識(意識)という、
私たちの存在を構成するもの。
そのすべてが「空」=実体のないものであると知ったとき、
人は苦しみから解放されるというのがこの教えの始まりです。
空の思想を深める
原文:
舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
受想行識 亦復如是
現代語訳:
舎利子(しゃりし)よ、形あるもの(色)は空と異なるものではなく、
空もまた形あるものと異ならない。形あるものは空であり、空は形あるものでもある。
感情や思考、意志、意識も同じく空である。
解説:
「色即是空、空即是色」は般若心経の核。すべては実体のない「空」でありながら、
同時に現実に存在しているものでもある、という相対的な真理を説いています。
あらゆるものが「空」
原文:
舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減
現代語訳:
舎利子よ、この世のすべての現象(法)は空の性質を持っている。
だから生まれることもなく、滅することもない。
汚れることもなく、清らかになることもない。増えることもなく、減ることもない。
解説:
「空」は、変化しているように見えても、実体のない現象の集まりです。
だからこそ執着せず、変化を受け入れて生きることができるという考え方です。
否定を重ねて自由になる
原文:
是故空中 無色無受想行識
無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
無眼界 乃至無意識界
無無明 亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽
現代語訳:
だから空の世界には、身体も感覚も思考も存在しない。
目も耳も鼻も舌も体も心もなく、色や音や香り、味や触覚や心の対象もない。
感覚の世界もなければ、無知(無明)もなく、それが尽きるということもない。
老いや死もなければ、それが終わることもない。
解説:
これは「私たちが執着しがちなすべてのものは本質的には存在しない」ということを、
徹底的に否定する形で表しています。
この「ない」という言葉の連続が、逆説的に心を解き放つ力を持っています。
仏教の道具も超えていく
原文:
無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故
心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃
現代語訳:
苦しみ・その原因・苦しみの終わり・その道(=四諦)もない。
智慧もなければ得るものもない。得ようとしないからこそ、
菩薩は智慧に基づいて、心にとらわれがなくなり、恐れも消える。
そしてすべての迷いから自由になり、究極の安らぎ(涅槃)に至るのだ。
解説:
ここでは仏教の基本的な教えさえも「超えるべき対象」として描かれます。
手放すことで心が軽くなり、恐れのない境地に到達できるという、
究極の自由が語られています。
真言(マントラ)──悟りへの祈り
原文:
三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提
現代語訳:
過去・現在・未来のすべての仏は、この智慧の力によって、最高の悟りを得たのだ。
原文:
故知般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
能除一切苦 真実不虚
現代語訳:
だから知るべきだ。
この智慧こそが、偉大で、明るく、比類なき、真実の力を持つ呪文であり、
あらゆる苦しみを取り除く力がある。
原文:
故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
現代語訳:
だからこの智慧の真言を伝えよう。それはこうだ——
ぎゃてい、ぎゃてい、はらぎゃてい、はらそうぎゃてい、ぼじそわか。
(意味)行こう、行こう、彼岸へ行こう。完全な悟りの境地へ、さあ行こう!
まとめ:心を自由にする智慧
般若心経は、私たちの「あるべき」という思い込みや、
「こうでなければ」という執着を、一つひとつ手放すための智慧を授けてくれます。
「何も持たないことで、すべてを得る」
そんな逆説的なメッセージが、短いお経の中にぎっしり詰まっているのです。
忙しい現代に生きる私たちこそ、一度立ち止まって、
般若心経を声に出してみるのもよいかもしれません。
心の奥底に静けさが広がる感覚が、きっとあなたにも届くはずです。
楽せず、楽しくいきましょう~
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