旅費日当で手取りを増やす???
- 15 分前
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会社を経営していると、
打ち合わせ、商談、研修、現場確認などで出張が発生することがあります。
その際に活用されるのが「旅費日当」です。
旅費日当とは、出張中に発生する食事代や雑費、
移動中の細かな負担を補うために、
会社が役員や従業員へ支給する定額の手当です。
うまく活用すれば、会社側では経費になり、
受け取る側では給与課税されにくいというメリットがあります。
近年これを利用して、旅費日当で手取り額を増やせます!!
的な謳い文句をよく見ます。
今日はそこに一言物申します。
旅費日当は「出せば何でも経費になる」というものではありません。
旅費規程がない、出張の実態がない、金額が高すぎる、記録が残っていない。
このような状態では、税務調査で給与や役員賞与と見られるリスクがあります。
この記事では、旅費日当の基本を解説します。
甘い言葉に騙されず、きちんと理解していただけるようにがんばります。

どうも、公認会計士・税理士、印紙税管理士、お肉博士、
LEOVISTAレガシースポンサーの金子です。
旅費日当とは何か

旅費日当とは、出張した役員や従業員に対して、
出張中の負担を補うために支給する定額の手当です。
たとえば、出張中には次のような細かい支出が発生します。
・出張先での食事代
・移動中の飲み物代
・ちょっとした通信費や雑費
・長時間移動による負担
・通常勤務とは異なる環境で働く負担
これらをすべて実費精算しようとすると、
領収書の管理や経理処理がかなり煩雑になります。
そこで、会社としてあらかじめ、
「日帰り出張なら1日いくら」「宿泊出張なら1日いくら」と決めておき、
そのルールに従って定額で支給するのが旅費日当です。
重要なのは、旅費日当は通常の給与とは性質が異なるという点です。
出張という業務上必要な移動に伴って支給されるものであり、
通常必要と認められる範囲内であれば、
受け取った役員や従業員に対して給与課税されにくい取扱いになります。
国税庁も、国内出張のために役員や使用人へ支給する出張旅費、宿泊費、日当について、
その旅行について通常必要と認められる部分は、
消費税の課税仕入れに該当するものとして整理しています。
つまり、税務上も「通常必要な範囲内かどうか」が大事な判断基準になります。
旅費日当の節税効果
旅費日当のメリットは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、会社側で経費にできることです。
業務上必要な出張に対して、会社の旅費規程に基づいて支給する日当であれば、
会社の損金、つまり経費として処理できます。
2つ目は、受け取る側で給与課税されにくいことです。
通常の役員報酬や給与を増やすと、
所得税や住民税、社会保険料の負担が増える可能性があります。
一方、旅費日当は出張に伴う実費弁償的な性格を持つため、
通常必要な範囲内であれば給与として課税されにくいのが特徴です。
たとえば、社長が月に数回、遠方の取引先へ出張している会社で、
旅費規程に基づき日当を支給する場合を考えます。
会社では旅費交通費などとして経費処理し、
社長個人では通常の役員報酬とは別に、出張に伴う日当を受け取る形になります。
このように、旅費日当は「会社では経費」「個人では給与課税されにくい」という点で、
節税効果のある制度といえます。
これをもって手取りを増やせる!!と謳っているわけですね。
ただし、繰り返しになりますが、何でも自由に出してよいわけではありません。
税務上認められるためには、実態とルールが必要です。
旅費日当が認められるための条件

旅費日当を安全に運用するためには、
最低限、次の4つを押さえておく必要があります。
1つ目は、旅費規程があることです。
会社として、
「どのような場合に出張とするのか」
「誰にいくら支給するのか」
「日帰りと宿泊で金額をどう分けるのか」
などを明文化しておく必要があります。
規程がないまま社長の判断で都度支給していると、
なぜその金額なのかを説明しにくくなります。
2つ目は、実際に出張していることです。
当然ですが、出張の実態がないのに日当だけを支給することはできません。
「毎月固定で日当を支給している」
「実際には移動していないのに日当を出している」
「家族旅行や観光に近いものを出張扱いしている」
このようなケースは非常に危険です。
3つ目は、金額が常識的であることです。
日当の金額が高すぎると、
税務調査で給与や役員賞与と見られる可能性があります。
国税庁の資料でも、非課税となる旅費の範囲を判断する際には、
役員と使用人の全体を通じて適正なバランスが保たれているか、
同業種・同規模の他社と比べて相当か、といった点が考慮されるとされています。
4つ目は、出張記録が残っていることです。
旅費規程があっても、
実際にいつ、誰が、どこへ、何のために行ったのかが分からなければ、
税務調査で説明できません。
日当を支給するなら、出張報告書や出張記録を残すことが重要です。
旅費規程に入れるべき内容

旅費規程を作る場合、
最低限入れておきたい項目は次のとおりです。
まず「出張の定義」です。
たとえば、通常勤務地を離れて業務を行う場合、
片道何km以上の場合、宿泊を伴う場合など、自社に合った基準を決めます。
次に「対象者」です。
役員、正社員、パート・アルバイトなど、
誰に適用するのかを明確にします。
社長だけに有利すぎる規程は危険です。
役員と従業員で金額に差をつけること自体はありますが、
その差には合理性が必要です。
次に「日当の金額」です。
日帰り出張と宿泊出張で分けると分かりやすいです。
たとえば、日帰りの場合、宿泊を伴う場合、
国内出張、海外出張などで区分する方法があります。
さらに「交通費」「宿泊費」の精算方法も決めておきます。
実費精算にするのか、上限を設けるのか、
新幹線や飛行機、タクシーの利用ルールをどうするのか、といった点です。
最後に「出張報告書の提出ルール」も入れておきましょう。
出張後、いつまでに、どのような内容を報告するのかを決めておくことで、
日当支給の根拠が残ります。
出張記録に残すべき項目

出張記録は、旅費日当を守るための証拠です。
最低限、次の項目を残しておきましょう。
・出張日
・出張者
・出張先
・訪問相手
・出張目的
・移動経路
・宿泊の有無
・業務内容
・出張の成果
・支給した日当の金額
税務調査では、旅費規程だけでなく、
出張記録、領収書、交通費の明細、
ホテルの領収書、予定表、メール、商談記録などを見られることがあります。
規程と実態、記録がつながっていることが大切です。
危険な旅費日当のパターン
旅費日当で特に危険なのは、次のようなケースです。
社長だけ日当が高額になっているケース
役員と従業員で金額差を設けること自体はあり得ますが、
社長だけ極端に高い場合は、
実質的な役員報酬と見られる可能性があります。
毎月同じ金額を日当として支給しているケース
実際の出張回数や内容に関係なく、毎月固定で支給していると、
出張に伴う日当ではなく給与に近いものと判断されるリスクがあります。
出張記録がないケース
規程があっても記録がなければ、後から説明できません。
家族旅行や観光が混ざっているケース
業務目的の出張に私的な旅行が混在している場合は、
業務部分と私的部分を明確に分ける必要があります。
金額が高すぎるケース
近場の日帰り出張で毎回数万円の日当を出すような場合、
通常必要な範囲内と説明するのは難しくなります。
まとめ
旅費日当は、きちんと整備すれば節税効果があって、
手取りを増やすことができる制度です。
会社側では経費になり、
受け取る役員や従業員側では、
通常必要な範囲内であれば給与課税されにくいというメリットがあります。
ただし、重要なのは「説明できるかどうか」です。
旅費規程があるか。
実際に出張しているか。
金額が常識的か。
出張記録が残っているか。
この4つがそろって初めて、旅費日当は安全に運用できます。
旅費日当を活用したい場合は、まず旅費規程を作り、
日当の金額や出張の定義を明確にしましょう。
そして、出張のたびに出張報告書を残してください。
節税で一番危ないのは、「ルールはないけど、何となく経費にしている」という状態です。
旅費日当は、隠す節税(脱税)ではなく、説明できる節税です。
税務署に聞かれたときに堂々と説明できる状態を作っておくことが、最も大切です。
今日も楽せず、楽しく生きましょう。





















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