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インボイスで廃業するってホント?

人間は考える葦である。

と、どこかの偉い人が言っていました。

きちんと自分で考えて行動できる、ってことですよね。


今日は二日酔いで死んでいます。

二日酔いになるたびに、あんなに飲まなきゃよかった、と後悔するのですが、

なぜ、こんなに繰り返すのでしょう。


人間は考える葦である。

考えはするが、行動が伴うとは限らないのである。


どうも、公認会計士・税理士・印紙税管理士・お肉博士の金子です。


 

今回もインボイスについてですが、

制度についての解説ではなく個人的な考察をしていきます。


お題は、

「インボイス制度が導入されることによって廃業が増えるのか」

です。



最近ネットニュース等でもよく出てきますよね。


表現は微妙に違いますが、インボイス制度が導入されることによって、

フリーランスや中小企業の廃業が進む、という論調は同じです。


 

考察に入る前に、誤解がないようにしたいのですが、

私もインボイス制度自体には疑問がある立場です。


消費税の適正計算が目的であれば、

インボイスを発行するだけでよく、

登録制にする必要はない、との立場です。


免税事業者がインボイス発行のために、

課税事業者になる必要はないと思っています。


 

その上で、

「インボイス制度が導入されることによって廃業が増えるのか」

について考えていきます。


Aという現象によって、Bという状態に変わる、


ということは、


AがなかったらBにはならない、


ということが成立する必要があります。


ということは、インボイス制度が導入されなかったら、

廃業は増えない、ということを前提とした論調であるべきです。


この点、中小企業白書とかの統計データを見ると、

フリーランスの約4割が1年以内に廃業し、

2年で約半数が廃業、10年後まで生き残れる方はたった1割だそうです。

とんでもない廃業率のようです。


したがって、インボイス制度が導入されることで、

この廃業率があがる、ということのようです。



次いで、インボイス制度によって増加するコストを分析します。

コストが増えるから廃業しちゃうわけです。


基本的に免税事業者が課税事業者になる際のコスト増と同じです。



①益税がなくなる


これはシンプルですね。

今まで免税だったので消費税の納税義務はなかったのですが、

納税しなくちゃいけません。


今まで免税だった=売上高が税込1000万未満です。

ということは、預かっている消費税の最大額は909,090円です。

これがコスト増の最大値になります。


なお、免税事業者の場合、消費税分も含めて所得税と住民税は課税されますので、

とりあえず両方合わせて30%と仮定すると、

270,000円はもともと払っています。


課税事業者になると、消費税分は所得税がかからないので、

差引63万ぐらいがインボイス制度の導入による税金の増加分です。


ただ、これは消費税の仕入税額控除を考慮していませんし、

簡易課税を選択することも考慮していません。


上記を考慮すると実際は45万ぐらいが最大値でしょう。


②申告書を作る


消費税の申告書を作成する必要がありますので、

これを税理士に依頼するとしたら、

数万円はプラスになります。

ここでは5万としましょう。


上記が主なコスト増です。

したがって、インボイス制度で増加するコストは最大で50万です。


月当たり4万ちょっとのコスト増です。

確かに重いですね。


でもそれで廃業しちゃうんでしょうか。

月に4万円増えただけで廃業しちゃう事業って、

そもそも事業として成立してますかね?


月4万円で廃業に追い込まれるのであれば、

事業の改善が必要なのではないでしょうか。


月4万は安くはないです。

ですのでインボイス制度自体はどうかと思っています。


でも月4万で廃業するのは、

インボイス制度のせいではなく、

事業が成立していないせいです。


結果と原因を正しく受け止める必要がありそうです。


「インボイス制度が導入されることによって廃業が増えるのか」

については、

インボイス制度によって廃業するのは、そもそもの事業に問題がある、が結論です。


法律を決めるのは政治家で、

政治家はぼくらが選んでいる(投票しないのも同じ)んです。

ですので、文句を言うなら選挙にいこう。


楽せず楽しく生きましょう。


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