競馬で税金?一時所得と雑所得のお話
皆様、明けましておめでとうございます。
おかげ様で無事新年を迎えられました。今年も目一杯突っ走って行きます。
さて、当ブログを読んでいただいているお客様からこんな感想をいただきました。
「金子先生のブログは公認会計士とか税理士ぽくないですよね。」
「あ、いい意味で(笑)」
・・・確かに!!
見返してみると、最近の投稿は全然専門色がない!!
なので、専門家であることを忘れられないように(自分でも忘れないように)年始1回目は専門家らしい内容にします。
皆さん、ギャンブルはお好きですか?
私は麻雀が好きです。
※脱線してませんので、もう少々お付き合いください。
競馬が大好きな方多いですよね。
万馬券当たって喜んでいる話とか聞くと、くそーって気分になります。
では、確定申告してますか?
※ようやく、専門家っぽい言葉が出てきた。
いやいや、ギャンブルに税金なんてかからないよね?確定申告いらないよね?って方。
要注意です。
競馬の払戻金は「一時所得」というものに該当します。
一時所得の計算方法は国税庁HPにこうあります。
総収入金額ー収入を得るために支出した金額(注)ー特別控除額(最高50万円)
=一時所得の金額
(注) その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります。
この(注)が曲者です。
その払戻金にかかった馬券代金だけを払戻金から差し引けるということです。
ある勝負師の例で見てみましょう。
1R:馬券50,000円→はずれ
2R:馬券50,000円→はずれ
3R:馬券50,000円→当たり!払戻金500,000円
4R:馬券50,000円→はずれ
5R:馬券50,000円→当たり!払戻金500,000円
6R:流れが見えた!最後の勝負!馬券750,000円→はずれ
さて、この人の結果をまとめると以下の通りです。
払戻金=1,000,000円(500,000円×2回)
馬券=1,000,000円(50,000×5回+750,000円)
くっ、これが勝負の世界か・・・

とか言ってそうですが、ちょっと待ってください。
もう一度、一時所得のおさらいです。
総収入金額ー収入を得るために支出した金額ー特別控除額(最高50万円)
総収入金額は今回1,000,000円
収入を得るために支出した金額は馬券2回分だから100,000円
特別控除が500,000円
・・・
一時所得が400,000円!!!!
手元に1円も残ってないのに確定申告して納税義務がある!!!!
嘘でしょ?と思われるかもしれませんが、本当のお話です。
なぜ、こんな内容のお話にしたかというと、競馬の外れ券を必要経費として認める2回目の最高裁判決が年末に出たからです。
この話をニュースで見たりして、はずれ馬券も必要経費でしょ?という方がいらっしゃるので、注意喚起で書いています。
この方々は超超超特殊事例です。
彼らの所得は「一時所得」ではなく「雑所得」として認められたために、必要経費に算入できました。
この最高裁は「競馬の外れ券が必要経費になるか」が争われたのではなく、「一時所得か雑所得か」が争われた事例です。
詳細は省きますが、要は、「継続的に大量に購入していた」ことが最高裁判断の決め手です。
※前回はコンピューターを利用、今回は独自ノウハウだったので、方法は関係ないかも。
いやいや、オレも継続的に大量に買ってるよ!という方。
規模がおそらく違います。
この方々は、1年間平均で10億円ぐらい買ってます。
これを複数年。
ここまでやれば、おそらく雑所得になります。
ですので、競馬は原則「一時所得」です。ほぼ例外なし。
例外は上記が目安です。
ちなみに、宝くじは非課税ですので、当たった方ご安心を。
今年も楽せず、楽しく過ごします。
皆様よろしくお願い致します。